引越しの代金は、さまざまな条件に左右されています。
Aさんはこれくらいの料金で引越しができたのに、どうしてうちはもっと高いの?!なんて事もごく当たり前に発生しています。
ケースごとに違う引越し料金に不満を持つ前に、その仕組みについて詳しく知ってみることにしましょう。
目次
引越し代金に影響のあるもの
引越し代金が友人や知人とは違った。
これは当たり前の事です。
各引越しごとに時期や時間、人数など家族構成までまったく条件は異なっており、何一つ違わない・まったく同じ…というケースはありえないからなんですね。
では、どういった条件が引越し代金に影響を与えているのか、詳しく見ていってみましょう。
距離
移動距離で引越し代金に違いが出ます。
引越し先が遠ければ遠いほど、時間も労力もそして高速料金などの経費もかかるため引越し料金は高くなっていきます。
具体的な差については、距離によってまったく異なるため一概には言えませんが、場所によっては一般的な代金の2倍などになることもあります。
とは言え、引越しの距離を努力で変更することは不可能ですので、距離の部分に関してはどうする事もできないでしょう。
距離に対する引越し料金の計算については、あきらめるほかありません。
時期
引越しには繁忙期と閑散期があります。
繁忙期は閑散期と比べて2倍程度の代金になる事が普通です。
繁忙期には引越しをする人がとても多く、予約すらできないほどの状態になります。
そのため、業者側も何とかやりくりして作業をこなしている状況になるので、当然費用は高くなってしまうわけです。
引越し費用を安く抑えたい場合は、可能なら繁忙期は避けて閑散期を狙うのが良いでしょう。
曜日
土日は平日と比べて割高になっています。
多くの人が土日休みのため、会社を休む事無く引越しを終わらせるためにはそこでやるしかないわけです。
そのため、土日には引越しが集中しやすく、結果的に引越し費用に跳ね返ってきているのです。
平日休みの人などは、安く引っ越せる平日が利用できてお得ですし、平日に休みが取れる人はそうしたほうが損がありません。
具体的には、時期にもよりますが、1~2割高めだと思ってください。
六耀(六曜)
ろっき(ろくよう)と言われるもので、いわゆる「大安」「先勝」などのこよみです。
大安や友引など縁起の良い日に引越しを希望する人が多いので、こうした時は割高になります。
曜日の時と同じく1~2割の割高感です。
あまりこういった事を気にしない人なら仏滅などを選ぶと空いていますし割安になります。
時間
午前中は引越し料金が高い設定です。
午前便は比較的正確な時間に作業が開始される事、その日のうちに片づけまである程度済ませる事ができる時間的余裕があるなど、さまざまな理由で人気があるため割高です。
およそ1~2割の割高感ですが、時間的な都合を優先に考えたい人にはおすすめできます。
逆に安くできるのは時間指定のないフリー便・午後便ですので、引越し代金重視の人はこちらがおすすめです。
ただ、時間指定ができない上に到着時間が前後する可能性もあります。
荷物量
荷物量が多ければ多いほど引越し代金は高くなります。
というのは、荷物量にあわせて作業員の人数を調整するからです。
荷物が多ければ作業員数も増えるので、人件費の分だけ割り増しになっていきます。
1名増えただけでも1万円前後は差が出ます。
また、荷物量のほかに道幅なども考慮し、トラックの台数が変わる場合もあり、これも引越し代金に影響を与えます。
広い道路に大きなトラックを横付けしておき、小さなトラックでそこまで運ぶというピストン作業が必要になったりすれば、その分費用は高くなり、トラック1台分の料金が加算されます。
2トントラックでおよそ2~3万円前後になるので、そのくらいの違いが出てきます。
もし、引越しを機に荷物を捨てる予定があるなら処分して減らすなどしたほうが、引越し料金は安くなるでしょう。
また、自分で運べるものは自分で運ぶようにすると、引越し業者にやってもらう分は少なくなるので、引越し料金を抑えることにもつながります。
ただし、道幅によるトラック台数の部分は努力次第で何とかなるという問題ではないのであきらめるほかないでしょう。
階数
アパートの1階より2階のほうが若干高い料金設定になります。
マンションでも一戸建てでも同じです。
下の階より上の階のほうが割高設定です。
一戸建ての場合は平屋か2階建てかで差が出ます。
具体的な差はそれほど大きくないでしょうが、1階上がるごとにプラス1,000円というのが一般的ですので、数千円単位で違いが出てきます。
エレベータの有無
エレベータのない建物の場合、1階以外の部屋は割高になります。
エレベータがあったとしても、上の階ほど引越し料金が高いのは同様です。
エレベータがあるのに料金が加算されるのは納得できませんが、1階上がるごとに1,000円加算と覚えておきましょう。
部屋の広さ(間取り)
2DKから3LDKなどへの引越しの場合、それに応じて料金が変動する場合があります。
広ければ広いほど荷物が多いという考え方なのかは不明ですが、見積もりサイトなどでは部屋の広さによって料金が変わる事もあります。
おそらくこれは、広さでおおよその荷物量を算出しているのだと思われますが、実際の引越し料金は訪問見積もりで決定します。
特殊荷物の有無
たとえばピアノや大型のベッドなどクレーン作業などが必要になる荷物や特殊な荷物があるかどうかも、引越し料金に影響します。
特殊作業の代金は、専門業者に依頼した場合と引越し業者が行う場合とでは異なります。
ピアノなど専門技術が必要なものに関しては、専門業者に依頼する事が多く、その場合は1~2万円前後の負担増となります。
オプション作業の有無
エアコン移設などのオプション作業があるかどうかも、引越し料金に影響します。
エアコン移設は、引越し業者が基本料金を含んで見積もりを出していますが、実際の作業時には別途追加料金が発生することのほうが多いので、かなりの加算があると考えておきましょう。
筆者の経験では8,000円の脱着料金を払っていましたが、実際の作業時に16,000円も追加徴収され、24,000円も払った事になります。
こうした意味不明な追加料金を避けるためには、自分でエアコンの専門業者に依頼する事が重要です。
引越し人数(単身か家族か)
家族構成(引越しの人数)も見積もりサイトなどでは料金に影響を与えています。
大人が何名、子供が何名、といった簡単なものですが、引越し料金算出に関係あるようです。
一般的に、子供がいると荷物量が増えるのでそういった情報からある程度の荷物量を想定しているのかもしれません。
何とかなるものとならないもの
引越し料金に影響のある事柄を思いつくだけ挙げてみましたが、自分の努力次第で何とかなるものと、どうしようもないものがありました。
距離は正直、どうにもなりませんよね。
道幅が狭くてトラックが入れないからピストンになるといった点もどうにもなりません。
こうした事柄以外の点では、たとえば荷物の量を減らすとかオプション作業は使わないなどの工夫で何とか対応できそうです。
お隣さんと引越し料金が違うのは、まったく同じ引越し内容ではないからです。
少しでも安く済ませられるように、こうした情報を得てできる限りの工夫をしておくと良いのかもしれません。