引越しをする事は確実だから、引越し先が決まっているかどうかは別として、料金を安くするために引越しの見積もりをして早く予約だけしておきたい…そう考える人も意外に多いようです。
でも実際、引越しに早割という制度はあるのでしょうか?
今回は、引越し業者の早割について紹介していきますね。
早割は引越し業界にはほぼ皆無
旅行の際の宿泊先や交通機関などは、ほぼ全てと言っていいほど《早割》という制度が用意されており、早くに予約をしておけばおくほど安く利用できるというメリットがあります。
なら、引越しにも早割が用意されていて、早く予約しておけば格安で引越しができるんじゃないだろうか?
…と思ってもおかしくありません。
しかし現実は、引越し業界に《早割》という制度はほとんどなく、確認できたのは1箇所だけでした。
引越し早割があるのはヤマトだけ
ヤマトホームコンビニエンスのみ、引越しの《早割》に当たる「早期申込割引」という制度を設けていました。
しかしこれも「単身引越しサービスのみ」と適用範囲は限られており、一般的な引越しには利用できない事になっていました。
早期申込割引の利用条件
- 割引額:1,000円(税抜)
- 荷物の搬出日が14日以上先に確定した場合
- 支払い方法が現金・クレジットカードの場合
- WEB割引、平日割引、複数BOX割引以外の、他の割引サービスとの併用は不可
- シーズン期は対象外となり、利用不可
- 同日の複数申込は1件分の割引扱い
早割の割引額と他の割引サービス
他の引越し業者には《早割》としている割引サービスは存在せず、唯一存在しているヤマトホームコンビニエンスでも、その割引額はわずかに「1,000円」となっています。
これは、引越しに「決まった金額」がない事が原因となっています。
一般的な引越しは「相場があってないようなもの」とよく言われていますよね。
これはまさにそのとおりで、決まった値段がない《サービス》だからです。
この定価のない《サービス》に割引を適用しようとしても、何とも無理な話…というのは、何となく理解できますよね。
じゃあなぜヤマトの単身引越しサービスなら早期申込割引という、いわゆる早割のような割引が適用できるのか。
単身引越しサービスには、定価があるからです。
単身引越しサービスは、荷物の量に応じて引越し費用が変わるという性質のものではなく、BOX1つにつきいくら…という形の計算方法になっています。
言ってみれば宅急便でダンボールを1個送るのにいくら、と言っているアレと同じという事になるわけです。
つまり、BOX1個運んでもらうのにいくら、という定価があるため、早割が存在できるんですね。
ではほかの引越し業者はどうなのかというと、表向きは《早割》という言葉を使ってはいませんが、見積もりの段階でそれ相応の割引はしてくれています。
たとえば、引越し日は1ヶ月先でもいい場合と、1週間以内にやってもらいたい場合では、見積額に違いが見られる事も少なくありません。
これは、《早い段階で見積もりをして予約を取ってくれる事》に対する割引なのであって、引越し業者にしてみれば、早くから予約を確保できることに意味があるようです。
このように、表向きは《早割》ではないものの、同様の割引をしてくれているというわけなのです。
メリットとデメリット
早くに見積もりを依頼して予約まで取っておく《早割》相当のサービスを利用するメリットとデメリットについて、解説してみますね。
メリット
引越し料金が割引になる
一番はやはり、若干の引越し料金割引につながる事です。
と言っても、1,000円程度の違いかもしれませんが、1,000円あったら作業員さんへの差し入れの飲み物だって購入できますので、馬鹿にはできません。
都合の良い日が確保できる
引越し料金の安い平日や、時間が無駄なく使える午前中など、都合の良いところが確保できるのは、早期に見積もりを予約をする大きなメリットとなります。
特に繁忙期にもなると、予約すら受け付けてくれない業者も多くなるため、早期申込の制度が利用できると安心です。
デメリット
荷物量の変更の可能性
たとえば予約も済ませた後で荷物の整理をしていて、いらないものが大量に出てきた…処分をしたら荷物の量が減った、と言うような場合でも、見積額を変更してもらう事は不可能な場合がほとんどです。
また逆に荷物の量が増えた場合も、予定に入っていないとして運んでもらえない可能性が出てきます。
早い段階で見積もりや予約をする場合は、荷物の量が変わらない事を前提にする必要があります。
天気が読めない
1週間先の天気ぐらいなら天気予報で確認しておく事もできますが、それ以上先となると天気は全く予測不可能です。
もしかすると予約をしていた日が台風だったり…なんて事も、ないとは言い切れないのです。
早期の引越し見積もりと予約には、こうしたメリットとデメリットが存在しています。
また、見積もり内容の変更は不可能な場合があったとしても、キャンセルは当然可能です。
ですので早期に見積もりと予約をしたその後でもっと条件の良い引越しプランが見つかった場合は、キャンセルすれば良いので、とりあえず早めに見積もりと予約をしておくというのも、良い方法と言えそうですね。