引越しをしたら《引越しそば》…昔からよく言いますよね。
でも、これの本当の意味や由来を正しく知っている人って実はあんまり多くないんです。
引越しをしたらそばを食べる事!…と単純に思っていませんか?
今回は、《引越しそば》について、詳しく解説してみますね。
引越しそばの本当の意味
引越しをしたら引越しそば!
昔はそれが当たり前の風習だったようですが、最近は知らないという人も多くなってきました。
引越しそばとは江戸時代に始まった風習で、本来は引越しをしてきた挨拶として蕎麦を近隣にふるまったり、配ったりする事を指していました。
この際、蕎麦は「おそばに引越してきました」というように蕎麦と側(近く)をかけた言葉として使われ、また、年越しそばと同じく「細く長く切れないお付き合いを」という意味もこめられていると言われています。
近隣に振舞うのに蕎麦が選ばれた理由はこのほかにも、大豆などよりも安く手に入れる事ができるからだという説があります。
引越しは今も昔もお金のかかる一大イベントで、少しでも節約しつつ挨拶だけはしっかり…という事だったのですね。
最近では、近隣に振舞ったり引越しの挨拶品として近隣に配るのではなく、引越しが済んだ後に手伝ってくれた人たちと一緒に自分たちだけでそばを食べるという形式になりつつあるようですが、それも現代の引越しそば…なんですね。
ところでこの引越しそば。
四国香川県ではそばではなくうどんが使われるという話があります。
いわゆる《引越しうどん》です。
うどんの聖地、香川県だからこそなのでしょうが、何もかもがうどんづくしで、年越しそばも年越しうどんだという話がありますし、マイホームを新築したらお風呂でうどんを食べる「初風呂うどん食え」という風習まで存在しているのだそうです。
世間では年越しそばを「細く長く生きられますように」との願いをこめていただきますが、香川県では「太く長く」なのだそうで、マイホーム新築の際のお風呂でうどん…の由来にも、こうした意味がこめられていると言います。
もっとも、いくらうどんの聖地だとは言え、香川県民全員が絶対そうだというわけではなく、一定の地域に根付く風習なのだと言います。
筆者も香川を訪ねた事がありますが、現地の友人がまず案内してくれたのはうどん屋さんでした。
さすが香川県民、本場のうどんの聖地ですね。
引越しそば・うどんを通販で
引越しそばのやり方はわかったし、引越しまでに準備しなきゃ…とは思うものの、その暇もないくらい忙しいのが引越し前。
荷造りや色々な手続きに追われて、とても買い物に行っている暇なんてありませんよね。
かといって、そのへんのスーパーにはめぼしい物がなさそうですし。
そこで、通販で気軽に手に入れる事ができるのにハズさない引越しそば・うどんをいろいろ探してみました。
そばのおびなた
蕎麦といったら信州戸隠!
つゆ付きのセットから生そばまで色々取り揃えていて、お値段も500円前後からあります。
引越しの挨拶用に、のしも準備してくれますので本当に便利です。
https://www.obinata.co.jp/shop/products/list.php?category_id=25
信州戸隠そば
こちらも信州の戸隠そばです。
工場から直送してくれるので鮮度が抜群!
2011年、2014年にはそば品評会最高賞受賞のほか、農林水産大臣賞まで受賞するなど高い技術が証明されています。
http://shinshusoba.net/
亀城庵
うどんと言ったら讃岐うどん、讃岐といったら香川県ですよね。
ギフト用のうどんも用意されているので、うどん派ならぜひ。
のしも用意してくれるようですよ。
http://www.kijoan.com/
大庄屋
こちらもうどんの聖地、香川県からです。
モンドセレクション最高金賞受賞の讃岐うどんゆう玄もあります。
そんな最高品質のうどんのお試しセットも販売されていますので、引越しうどんとして振舞ったら喜ばれそうですよ。
http://www.osyoya.com/
ネット上で人気のそば・うどんの通販をピックアップしてみましたが、お値段は選ぶ商品によってだいぶ違っていますよね。
安い物なら500円前後からありますが、人気のある良いものを選ぶと、安くても1,000円以上するなど、ピンからキリまである…といった感じです。
引越しにはお金もかかっていますし、正直、近隣とのお付き合いがどうなるかもわからない段階ですので、それほど高価な物を購入して配る必要はないように思えますが、どうなんでしょうね。
高い物を配っていたのに関係が悪化した際には「やらなきゃ良かった、損した!」と思ってしまいますしね…難しいです。
筆者は個人的には、失礼のない品を選んで丁寧な挨拶をするのがベスト、と考えています。
引越しの挨拶は、お金をかけることが素晴らしいという種類の物ではありませんし、挨拶品の値段でお付き合いが決まるわけではなく、関わり方次第ですよね。
挨拶品としてのそばやうどん
引越しそばが「おそばに引越してきました」「細く長く切れないお付き合いを」、うどんが「太く長く」というような意味を持って行われてきた事を考えると、そばやうどんを引越してきた際の近隣に配る挨拶品として使うのは決して失礼に当たらないでしょう。
最近はゴミ袋やラップ、ホイルなどの消耗品を挨拶品に使う人が多くなってきていますが、昔ながらのそばやうどんも、なんだか素敵な挨拶品に思えてしまいますよね。
次は筆者もそうしてみようかと思います。