身内の不幸があった時、喪中の時は引越しは控えるべき?

喪中の間は引越しをしないほうがいいという話を聞く事がありますが、実際はどうなのでしょうか。

また、喪中期間である事をお知らせするはがきと引越しをお知らせするはがきが一緒では駄目でしょうか。

喪中という人生においてそう何度もない期間の引越しについてあまり詳しい人も多くないので、ここで少し解説してみますね。

喪中期間の引越しは駄目?

時々、身内の不幸があった喪中期間中に引越しをするのはいけない事だという話が耳に入ってきます。

その理由をたどって見ると「喪に服す期間だから祝い事は駄目」という事なのですが、そもそも引越しが祝い事かどうかは疑問ですよね。

「引越し祝い」などという言葉もないわけではありませんが、果てしなくグレーゾーンのように思えないでしょうか。

そんな喪中期間中に引越しをしなければならない人も実は意外に多く、駄目と言われても困る…という事も少なくありません。

実際、筆者の父は市営住宅に入居していて他界したので、介護のために同居していた弟はいやおうなしに退去・引越しという事になりました。

実はもともと喪中期間中に引越しをしてはいけないという事はありません。

気持ちの問題…という側面が強いものなので、気にする人はとても気にしますが、気にしない人は全く気にせず引越し等してしまうわけです。

どうしても気になる、でも引越しをしなきゃならない…というような場合は、せめて四十九日が終わるまでは待ってみるなどしてはいかがでしょうか。

この期間は喪中ではなく忌中と呼ばれる期間ですので、気になるならこの期間は待ちましょう。

ちなみに喪中の期間は、亡くなった方との続柄がどうなっているのかによっても異なっています。

 

喪中期間と続柄による違い(続柄=自分から見た続柄)

  • 曾祖父母:喪中とならない
  • 祖父母:3ヶ月から6ヶ月間
  • 父母:12ヶ月から13ヶ月間
  • 義父母:12ヶ月から13ヶ月間
  • きょうだい:1ヶ月から3ヶ月間
  • 子供:3ヶ月から12ヶ月間

喪中の期間は自分との続柄がどうだったのかによって全く異なり、またその期間にも幅があります。

喪中期間中の引越しはちょっと気になるけれど、あまり時間をかけられないと言う場合などは、こうした期間を参考にしながら引越し時期を決定しても良いのではないでしょうか。

 

喪中と引越しのお知らせの仕方

喪中期間中に引越しをした場合の、周囲の方へのお知らせの仕方は、その時期によっても異なります。

 

引越し時期が12月など年末に近い場合

喪中をお知らせする欠礼はがきを出す時期と重なるので、引越しのお知らせと一緒にしてもかまいません。

文例としては、この場合喪中はがきを主として、住所の上に「新住所」などとつけ、さらに最後に小さく「引っ越しました」程度に付け足すようにします。

間違っても「新築のマイホームを購入しました!遊びに来てね!」のような近況報告的な文言は入れないように注意してください。

喪中はがきというのは本来、「身内が他界しました」というお知らせの意味を持つものではなく、喪に服している期間だから年賀状は出せないと言う欠礼のご挨拶状という意味を持っています。

ですから、そのお知らせはがきに他の事を書くべきではないのです。

また、喪中はがきを出す時期に引越しをし、新居へのご招待などを送りたい場合は別途クリスマスカードまたは寒中見舞いという形でお知らせをしてみると良いでしょう。

何度も言いますが、喪中はがきに新居へのご招待は書いてはいけません。

 

引越し時期がそれ以外の場合

喪中のお知らせは急ぐものではないので12月に入ってから、引越しの連絡は引越し時期に合わせて、それぞれ別に出しましょう。

はがき代がもったいないとか2通出すのはおかしいとか色々な声がありますが、「喪中はがきと一緒にしちゃえ」の方がおかしくないでしょうか?

双方の時期が近い場合を除き、別々で出すのがマナーです。

 

喪中期間中の引っ越し祝い

喪中期間中に引越し祝い…なんだかその「祝い」という言葉に引っかかりを感じるのなら、控えめにしておきたいところですね。

 

こちらが引越し祝いをされる側の場合

もし、「祝い」という部分に少しでも抵抗があるのなら、四十九日が過ぎてからにしてもらえるように日程を調整したり、その頃に引越しの連絡をするなどの工夫をしてみると良いでしょう。

「バタバタしていたから連絡が遅れてしまった」というような言い訳も通用します。

 

こちらが引越し祝いをする側の場合

例えば相手が喪中期間中だというのに新築のマイホームを手に入れた等でお知らせが届いていた場合、そもそも喪に服しているとは思えない節がありますので、気にする必要はないでしょう。

または四十九日を過ぎているのかもしれませんから、あまり気にせず引越し祝いをしても差し支えないといえそうですね。

 

喪中という期間の意識が非常に薄れてきている現代ですので、人それぞれ考え方が全く異なり、難しい問題になりつつあります。

身内に不幸があったはずの喪中期間でも、普通にレジャーにも出かけますし地域でお祭があれば参加…今はそういう人が増えていますよね。

とは言え、周囲との関わりを絶って家に篭って…のような生活をする必要はありませんが、喪に服す喪中期間の意味はきちんと理解しておくと、恥ずかしい思いはしなくて済むと言えますよね。