引越し業者の多くはフリー便と呼ばれるプランを持っています。
フリー便を利用することで得られるメリットも大きいですが、反面、デメリットも大きいため、その利用には注意が必要となる場合があります。
では、フリー便のメリットとデメリット、そもそもフリー便とは何なのか…等について、解説していきますね。
目次
引越し業者のフリー便とは
引越しをする時、多くの人は「午前便で」「フリー便で」と、便を指定して予約することはほとんどありませんよね。
訪問見積もりにきた営業マンといろいろなやり取りをする中で決定した便がたまたまフリー便だった、午前便だった…というような形である事がほとんどです。
ではこのフリー便とはいったいどういうものなのか。
その名のとおり、時間がフリーで「何時から作業」と決まっていない便の事をさしています。
午前便ならその日一番の作業になる事が確実なので、大体午前8時~9時頃には作業が開始されるのが一般的ですが、フリー便にはそれがなく、まったく予定は未定となっています。
フリー便利用のメリット
そんな時間に縛られないフリー便には、実は大きなメリットがあるんですよ。
料金が安い
午前便のように時間が決まっている作業と比べて、格段に引越し費用が安く済みます。
言ってみれば引越し業者の都合で引越し作業が行われるので、その分安い料金でやってもらえる…そんなイメージです。
業者によっては通常の半額近くまで安くなるなど、破格の値段が提示される事もあるのが特徴です。
繁忙期でも作業可能な場合がある
繁忙期になると、通常の予約は断られる事も珍しくありません。
しかし、夜でもいい、深夜でもいいと申し出ると、フリー便でよければ対応できます…と言ってもらえる事があります。
時間だけでなく日程も特に決めていないが引越しする事だけは決まっている、繁忙期でも引越しをしてもらいたい、という人には最適です。
昼以降が希望ならぴったり
午前中はいろいろ忙しいから昼以降の引越しにしてもらいたい…そんな人にはぴったりです。
引越し前の最後の確認やいろいろな手続きなど、やっておくべき事がたくさんある場合、昼以降にしてもらいたいと思う事もあります。
また、手伝いに来てくれる人が朝早いのは無理だから昼以降、夕方などが希望…という事もあるので、遅い時間の引越しを希望している人には最適ですよね。
上記3点は、言ってみれば私たち客側が引越しに関してよく悩む事ですよね。
費用が高くて困っている、どうにかならないのかな…とか、繁忙期で断られちゃった、どうしよう!?とか、朝早いのはちょっとイヤなんだけど…なんて、本当に多い悩みです。
でも、フリー便ならそれが解決できてしまうわけです。
筆者は個人的には、この3点が解消できるフリー便は、とても利用価値が高いと考えています。
フリー便利用のデメリット
もちろん、メリットばかりではなくフリー便にはデメリットもあります。
予定が立たない
時間に制約がないフリー便なので待ち続けなくてはならず、予定が立たない事もあります。
大体何時ごろという目安は連絡してもらえますが、必ずその時間通りにという約束ではなく、あくまでも目安でしかないのでアテになりません。
夜や深夜に及ぶ事も
ずっと待っていたら夜になってやっと来た、作業終了は深夜だった…何てこともよくあります。
時間に縛られない点は良い点でもあり悪い点でもある、それがフリー便の宿命です。
そしてそれが周囲からの苦情につながる事もゼロではなさそうです。
事故率が高い
フリー便の多くは、たいていその日の最後の作業となるため、作業員がみんな疲れきっている事が多いです。
そのため、荷物を落下させたりぶつけたりと、さまざまな事故が予測できます。
朝一番で元気がみなぎっている時間帯の作業と比べて事故率は高めとなっています。
上記3点は、フリー便における最も大きなデメリットですので、これらはフリー便を利用する時点で納得しておく必要があります。
フリー便の依頼方法
多くの引越し業者には、フリー便が用意されています。
ほかの作業が終了したら…トラックに空きが出たら…そんな感じのフリー便なので時間はまったく予測がつきません。
それでもあえてフリー便を利用したい場合は、訪問見積もりの際にその旨を申し出てください。
時間は夜でも深夜でもかまわないから安く済ませたいという点を強調すると、フリー便が提案されるはずです。
フリー便利用の際の注意点
このように、フリー便ならではと思える大きなメリット、そしてデメリットがありますが、こうしたメリット・デメリットも納得した上で利用するのなら問題はないでしょう。
ですが、こういったデメリットがあることを知らずにただ料金が安いというメリットだけを見てフリー便で契約してしまうと、後で「こんなにひどい対応だった」という苦情になりかねません。
フリー便は料金がただ安いだけでなく、時間の制約をまったく受けない便なのだということ・時間に関してはまったく意識してもらえない便なのだということを十分理解した上で利用すれば、業者にとっても私たち利用者にとってもお互いメリットの多い引越しの仕方になるのではないでしょうか。