引越しの時、仏壇って普通の家具と同じように扱っていいの?
…何か違う気はするけどよくわからない、そんな人が多い事でしょう。
いまや仏壇が自宅にあるという家も多くなく、また、仏壇を伴う引越しなんて経験ないし!…という人だらけのはず。
今回は、仏壇の引越しの際の扱い方とそれにまつわるさまざまな習慣等を紹介してみますね。
目次
仏壇の引越しの基本的作法
引越しの時、仏壇は一般的な家具同様に扱ってはいけません。
仏壇は仏様のいる場所。
決められたルール、作法にのっとった正しい順番で引越しをするようにしましょう。
魂抜き
引越しで仏壇を移動させる前に、魂抜きと呼ばれる作業を行います。
これは、仏壇の中にいる仏様の魂を鎮めてお札をそこから抜き、安全な場所に移動してもらう作業なのですが、基本的にはお坊さんに来ていただき、施してもらいます。
仏壇の搬出
魂抜きを終えた仏壇は、一般的な家具と同じように扱います。
ただし、部屋から搬出するのは一番最後にします。
仏壇の新居への搬入
新居に到着したら、まず一番最初に仏壇を搬入します。
魂入れ
魂抜きをしてもらったお坊さんに再度来ていただき、今度は魂入れを行います。
以上の順序で仏壇の引越しを行うのが一般的です。
お坊さんに来ていただくため、お礼の費用(お布施)が発生しますが、一般的には1万円から3万円前後といわれています。
宗派などによっても異なるので、確認しておくと良いでしょう。
仮住まい経由の引越し
仮住まい経由の引越しの場合も、通常の引越し同様に供養してもらうのが本来が良いと言われています。
ただ、仮住まいの期間が短い場合は新居へ移るまで待っても良いでしょう。
また、家を新築したり建て替えたりする場合は仮住まいの期間が長くなるので本来の作業をしてもらったほうが良さそうです。
ただ、それも省略するという人は少なくないため、仏壇専門の引越し業者などではその間仏壇などを預かってくれるサービスを展開しています。
ところで仏壇専門の引越し業者ですが、インターネットで検索すると比較的簡単に見つかります。
仏壇だけでなく仏具も一緒に運んでもらえますが、遺影や位牌は自分で運ぶのが鉄則というところが目立ちます。
とは言え、事情によってそれが難しい場合は運んでくれるというところがほとんどです。
こうした仏壇の引越しを専門に扱っている業者に依頼する場合、次のような手順となります。
仏壇のサイズをきちんと測って伝えます
高さ、横幅、奥行きの3種類が必要です。
仏壇の種類を伝えます
仏壇には、唐木仏壇と金仏壇の2種類があり、それによって作業の仕方が異なります。
灯篭の有無を伝えます
仏壇の中に吊りタイプの灯篭があるかどうかを伝えます。
これによって作業の仕方が異なります。
主にこれら3点を伝えることでおおよその見積額が出てきますし、作業の工程が決定します。
費用については、仏壇の種類や移動距離などによって異なるので、詳しい条件を伝えたうえで見積もりを出してもらわなければ一概に言えません。
一例としては、95センチ以上のとても大きなサイズの仏壇の場合、同一市内でも9万円前後、同一県内なら13万円前後、同一地方なら14万円前後といった具合です。
こうした仏壇専門の引越し業者に依頼する場合、引越し前の処理は自分ではほとんどしなくてOKです。
やっておくのは、仏壇の引き出しに入っている細かな物…たとえばろうそくやマッチなどをひとまとめにしておくなどの作業くらいです。
専門業者なので、新居での仏壇の設置に重要な方角なども、安心して任せることができておすすめですよ。
自分で梱包する場合
もしも自分で仏壇を梱包する場合は、エアパッキンや新聞紙などを多めに用意するようにしてください。
はずせる飾りははずしますが、無理をしてはずさないようにだけ気をつけます。
壊れてしまってはいけませんから。
また、はずした飾りは新聞紙やエアパッキンで包みますが、その前にきれいに掃除すると良いですよ。
その上で、飾りや小物類をひとつのダンボールに詰めて、エアパッキン等で隙間を埋めて動かなくし、「取り扱い注意」等を記入しわかりやすくしておきましょう。
本体はダンボールを開いて巻くようにして包み、エアパッキンで覆います。
一目で仏壇だとわかるでしょうが、表面の目立つところに「取り扱い注意」「仏壇」等の記入を忘れないでください。
仏壇の処分と買い替え
引越しの際に仏壇を買い替える場合は、新しい仏壇を購入した店で処分をお願いするとスムーズです。
たいていの仏壇仏具店では、こうした買い替えに伴う仏壇の処分に対応していますので、そのほうが良いでしょう。
もし買い替え以外での仏壇の処分の場合は、宗派によっては法要を済ませてあるかが問題となったりいろいろな供養関連の確認をしておく必要があります。
該当する宗派のお寺さんで処分について相談してみるのが良いでしょう。
これらがすべて済んでいれば、自治体の粗大ごみとして出しても問題ないでしょう。