引越しでは、入居だけでなく退去の際にも色々な手続きが必要になり、あわただしくなります。
特に退去の場合、原状回復など破損箇所の修繕の問題も出てくるので入居時よりも面倒な作業が多くなります。
ここでは、退去の際の手続きやその流れについて解説していきますね。
退去までの基本的な流れ
引越しの退去は、入居時よりも面倒な作業が多く、手続きも複雑なものが多々あります。
そこで、退去の流れを一覧にしてみましたので、参考にしてみてくださいね。
退去の連絡
引越し先が決まったら、まずは今住んでいる家の管理会社に退去の連絡をします。
退去の連絡の時期は、一般的には1ヶ月以上前とされていますが、物件によっては2ヶ月以上前など特殊な例もあるので契約書をよく読んで確認してください。
仮に退去通知の時期を1ヶ月以上前と定めている物件の場合、退去の連絡をした日から1ヶ月以上先を明け渡し日として設定します。
例えば7月25日に管理会社に出て行く連絡をするなら、退去の予定日を8月25日以降に設定するのが普通です。
しかし、もし7月31日でどうしても退去したい場合は、8月25日までの家賃を支払えば即時退去することも可能になっています。
つまり、1ヶ月以上先という定めは、「その日まで身柄を拘束します」という意味ではなく「その日の分まで家賃は支払ってもらいます」ということを意味しているだけなんです。
ライフライン関係の連絡
電気、ガス、水道、電話などの連絡です。
今住んでいる部屋でいつまで使うのか、新しい部屋はどこでいつから使うのか…という連絡をします。
新居でも同じ事業者を使う場合は一度で手続きが完了しますが、別の事業者を使う場合はそれぞれに連絡をする必要があります。
例えば水道などはそのいい例ですよね。
水道は自治体ごとに管理している場合が多いので、県外などに引っ越す場合は確実に事業者が変わります。
火災保険の解約
入居時に加入した火災保険などの解約手続きを行います。
契約期間の満了を迎えている場合は特に必要ありませんが、契約期間の途中で引越しをする場合は解約をしておく必要があります。
とは言え、解約をしなかったら何かあるのかというと、特に何もありません。
ただ、契約途中での解約なら解約返戻金が戻ってくるので手続きをしておいたほうがお得です。
入居時の加入手続きは不動産屋がやってくれるのですが、解約の手続きは自分でやらなくてはなりません。
保険証券を用意して、電話をして解約する旨を伝えると、解約に必要な書類が送られてくるので、それに記入して返送すれば手続きは完了です。
掃除
引越し作業が終わったら、明け渡す前の掃除をしておきましょう。
やらなかったら何かあるのか…というと、特段なにかあるわけではありません。
言ってみれば、掃除をしてもしなくても別に何も変わりはない、ということになります。
とは言え、通常の神経を持っている人なら「なんとなくちょっと掃除ぐらいしておこうかな」と思うものでしょう。
それまで自分が暮らしてきた部屋、お世話になった部屋、思い出のある部屋かもしれません。
大掛かりなことをしなくても、なんとなく掃除らしきことはしておきたいものです。
引越し作業と同時にある程度の掃除をしておくと後が楽ですが、その時間がない場合は後日、明け渡すまでの間にやっておくと良いでしょう。
筆者は引越し作業と同時にある程度の掃除をしておき、最終的な仕上げは明け渡し日に行っています。
立会い・明け渡し
退去の際の立会いと明け渡しが同日に設定されている管理会社の場合、立会いが終わり次第その場で鍵を返却して明け渡す事になります。
退去の際の立会いと明け渡しが別の日に設定されている管理会社の場合は、立会いが退去予定日前に行われ、退去日までに鍵を返却に行くということになります。
立会いに関しては、部屋の内部全体をチェックするため、広さにもよりますがだいたい30分程度の時間がかかります。
その上で修繕が必要な箇所がある場合はその指摘があり、どの程度のどういった修繕が行われるかの説明をしてくれるところもあります。
ですが、たいていは教えてくれません。
何も教えないで勝手にあれこれ修繕を行い、請求してくるというケースが多いです。
引越しの退去の際の流れはこのようになります。
退去の立会いは、最近は行わないところがとても増えています。
敷金は全額返金という法改正に従ったためなのか、あるいは色々請求するために立会いなど行わないのか、そこは管理会社の考え方次第ということになります。
原状回復と退去にかかる費用
退去の際、トラブルになりやすい原状回復については、国土交通省の定めるガイドラインを参考にすると間違いありません。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
ただ、1ミリの狂いもなく100%元通りに戻すということは不可能だと定めているものの、故意・過失については回復措置を講じる必要があるとしています。
当然といえば当然のことなのですが、その故意・過失の受け取り方が人によって異なるため、トラブルが発生していると考えられます。
一般的に、壁に穴を開けたとか窓ガラスを割ったまま出て行ったとか、通常の生活に支障のある状態を作った場合は原状回復のために敷金からそれ相応の費用が差し引かれますが、そういったことがまったくなかった場合は敷金として差し入れてあったお金は全額返金されることになっています。
ですので、退去するからといって何かお金を新たに支払う必要はないというのが通常で、原状回復に必要な費用は敷金から差し引かれる事になっています。
筆者の経験からは、たいてい敷金の範囲内で間に合うことが多いです。
ただ、1度だけ、敷金だけでは不足するとして追加で13万円の請求を受けたことがありました。
新築で入居した市営住宅でしたが、壁にねじ式のビスを打ったこと、喫煙による壁紙の張替えが必要だったことが原因です。
それにしても13万円はあまりにも高額だとは感じずにはいられませんでしたね。
一般的なアパートなどではなく市営住宅だったため、修繕担当の業者が悪質だったことが後でわかりましたが、筆者もそのころは若かったため文句も言えませんでした。
このように、敷金で足りない場合、または敷金なしで入居している場合は、退去の際に原状回復に必要な費用は請求されることになります。