引越し時の掃除はどこまでやる?引越し先と退去時それぞれ解説!

引越しの際の掃除はどこまでやればいいのか、契約書には書いてありませんし、誰も教えてはくれませんよね。

かと言ってみんながどうしているかはなかなか聞きにくいし、どうするのが普通なのかわかりづらい問題の一つです。

そこで、筆者の引越し経験、そして不動産業者との関わりの中からつかんだ「一般的」と思われる対処法をお伝えしてみますね。

退去時の掃除の常識と原状回復の範囲

引越しで退去していく前の掃除はやるべきなのか、やるならどこまでやるのが一般的なのか、とてもわかりづらい問題ですよね。

結論から言えば、契約書の内容に従った行動を取るべきだということになります。

例えば入居時にルームクリーニングが施されていて「退去時にはクリーニング代を負担する事」となっていたのであれば、退去時に自分で掃除をする必要はありません。

仮に自分で掃除をしてから退去したとしても、その後に専門業者によるルームクリーニングが行われるからです。

とは言え、ほこりまみれの汚れた状態で退去した場合と一通りの掃除はした状態で退去した場合とでは、管理会社に与える心象には差が出てくると言えますし、それまでお世話になった部屋を汚れた状態にしたまま退去するのは何とも心苦しいものです。

なので筆者はいつも必ず掃除はして退去しています。

そこで暮らした思い出まで汚れてしまいそうですし、部屋への感謝の気持ちですね。

さて、原状回復の範囲についてですが、これを誤解している人が多いようなので少し解説しますね。

原状回復とは借りた時の状態に戻す事を指していますが、あくまでも経年劣化を除いて考えるものなので、畳が借りた時よりも擦り切れたとか、壁が少し薄汚れたというようなものは原状回復の範囲に入りません。

これは入居年数が長ければ長いほど「経年劣化」として認められるものですので、長く済んでいたから原状回復費用が多くかかる…という心配は必要ありません。

つまり、退去時に掃除をしないで出て行ったとしても原状回復をしていないと言われる事もないのです。

ただし、画鋲以外の穴(例えばネジ・釘など)を壁に開けた場合、粘着物をはがした際の壁紙の破れ、タバコによる壁紙の汚れなどの故意または過失による汚れや破損については経年劣化ではないので原状回復として費用を請求される場合が多いです。

また本来は、通常の使用による畳の擦り切れに関しては経年劣化の範囲とされるものなので退去時に費用の請求はすべきでないのですが、入居者に負担させているところがほとんどです。

たとえ数か月しか住んでいなかったとしても、これは請求されているのが現状です。

筆者も、3ヶ月しか住まなかった家を退去した際、畳の表替え費用が請求されていました。

現在はこうした事についての法改正が行われたため、原則敷金は全額返金するものとされていますが、実際は他の名目で初期費用に「退去時のルームクリーニング代」「退去時費用」などとして追加し、結局は入居者に費用の負担をさせるやり方に変わってきています。

 

掃除をするならどの程度?新居は?

引越しの退去時に自分である程度の掃除をしておく場合は、どこまでどの程度やればいいのか、という点ですが、「自分が次に入居するかもしれない立場だったら」という視点と「人に見られたくない」場所はどこか、という視点で考えれば良いのではないでしょうか。

筆者は家全体をくまなく掃除します。

特に水回りは汚れやすい場所ですし、汚れが目につきやすい場所でもあります。なので、水回り中心に掃除をしていきます。

その他の場所は掃除機をかけて雑巾がけをする程度でも十分です。

掃除のコツは「隅」を徹底して綺麗にする事です。例えば部屋の四隅。

こうした隅が綺麗になっていると、部屋全体が綺麗になっているように感じられるものなんですよ。

逆にいくらピカピカに磨いて綺麗に仕上げてあっても、隅に汚れが残っていると全てが台無しになってしまうものなので不思議です。

また、引越し先の入居前の掃除については、筆者は個人的には「やるべき」と考えています。

というのは、前の住人が退去した後ルームクリーニングが行われていて、綺麗な状態で内見に行って部屋を決めた…という場合は、同じような人が何人もその部屋を見に来ている事が考えられるからです。

知らない人が何人も、何十人もその部屋を見に来ていたともなれば、確実に部屋は汚れていますよね。

前の住人が退去した後そのままの状態で内見に行って、部屋を決めてからルームクリーニングが行われたというのであれば話は別ですが、でも筆者の場合はそれでも掃除は事前にしておきます。

以前住んでいたマンションの部屋は、入居直前にクリーニングをしたという話だったのですが、事前に部屋を訪れたら靴下が真っ黒になりました。

ちょうど電話回線の開通に関して工事が必要だったので立会いをしていたのですが、ついでに掃除もして帰った記憶があります。

部屋全体、水回り、窓など部屋全体をくまなく掃除しました。道具も専門的な物は特に必要なく、雑巾と除菌という意味を込めて漂白剤。それで十分です。

そうしなければいけないというものではないのですが、自分が気持ちよくそこで新しい生活を始められるように、ベランダも含め気が済む方法で掃除をしておくと良いのではないでしょうか。

 

引越し業者や代行業者に頼む事もできる場合がある

引越しの退去時の掃除をどこまでやればいいか判断がつかない場合は、引越し業者にオプションで依頼する事も出来る場合があります。

大手引越し業者などでは、オプションとなりますがお掃除サービスを扱っているところがありますので、それをお願いすると良いでしょう。

費用がどれくらいかかるかは業者によって異なりますし、部屋の広さによって異なりますので見積りが必要ですが、2~3万円もあればできるのではないでしょうか。

また、掃除代行業者に直接依頼する事もできます。

退去時に管理会社でルームクリーニングを依頼して、後でその費用を敷金から差し引く…というやり方は一般的なのですが実はこれは入居者側の認識に間違いがあると言えるんですよ。

一般的な契約書には、退去時のクリーニングについて「入居者の負担で」などとされている事があるのですが、それは費用のみを負担するという意味ではなく、掃除自体を入居者負担で行う事もできるととらえる事ができるわけです。

ですから管理会社任せにしていると、管理会社が提携している掃除代行業者がクリーニングに入るので、管理会社にとってはメリットがあるようですが入居者にとっては割高になったりとデメリットが多いのです。

そこで、自分でルームクリーニングの代行業者を探し、依頼するという方法を取る事も可能なんです。

現に、筆者は4LDKの一戸建ての退去時のクリーニングは自分で業者を見つけて依頼したので、相場の半額以下で済ませる事ができました。

具体的には、広さがあるので平均して10万円前後かかるという見積りばかりだったのですが、激安でやってくれるところを見つけ、4万円弱で済ませました。

作業内容も特に雑という事もなく、ずっとその場で見ていたのですが丁寧にやってくれていました。

そして鍵返却の当日にその領収書を管理会社に持って行けばそれでOKとなったので、こんな方法もあるんだなと勉強になりました。

もちろん、退去時の費用として初期費用に組み込まれて最初に支払いが済んでしまっている場合はそんな事をすると損になりますので、その場合は何もせずに退去するのが良いでしょう。