引越し業者を使わない引越しは、料金が抑えられる、自分の都合オンリーでできるなど多くのメリットがあるように思われがちですが、実はその裏には大きなデメリットが潜んでいる事もあるのです。
トータルで考えた時どちらの方がおすすめなのか、損のない引越しができるのはどちらなのかを経験者の視点から紹介してみますね。
目次
引越し業者なしでも引越しはできる?
引越し業者を使わないで引越しをする人、しようと考える人は実はとても多くいます。
引越し=引越し業者に依頼するもの、と思っている人も中にはいますが、実際は業者を使わなくてもできてしまう事も多いんです。
引越し業者なしで引越しを実現するための方法には、主に次のような3つが挙げられます。
- 自力での引越し
- 宅配便を使っての引越し
- 家具類は全て買い替える引越し
では、これらについて詳しく解説していきますね。
引越し業者を使わない引越しパターン1.自力
引越し業者を使わない引越しの代表格となるのが、自力での引越しです。
最も一般的な方法は、家族や友人など知り合いに手伝いを頼んで、レンタカーを借りてきて荷物を運ぶというやり方です。
この方法が選ばれる一番の理由は、《引越し費用が抑えられるから》です。
ですので、家族よりも単身者の方が自力での引越しを選択する場合が多い傾向にあります。
とは言え、自力での引越しは費用が抑えられますが、それでもどうしてもかかってしまう費用があります。
レンタカー代
借りる車種・時間にもよりますが、およそ2万円前後は見ておくと良いでしょう。
ガソリン代
レンタカーは満タン返しが基本ですので、引越し作業中だけでなく返却時にもガソリン代がかかります。
およそ1万円前後を見ておきましょう。
手伝ってくれた人へのお礼
家族や親族なら「なし」でもなんとかなる場合がありますが、友人や知人の場合はそうはいきませんよね。
仮に「そんなのいいよ」と言われたとしても、貴重な時間を自分の引越しのために費やしてくれたのですから、少なくとも食事代くらいはお礼として渡したいものです。
人数×5千円~1万円程度は見ておきましょう。
これらは自力での引越しならではの必要経費だと考えて良いでしょう。
引越し業者を使わない引越しパターン2.宅配便
自力での引越しに次いで多いのが、宅配便を利用した引越しです。
特に単身者に多い傾向が見られますが、ダンボールに詰めた荷物をゆうパックなどで送るという方法です。
これは、家財道具はほとんどなく、荷物がダンボールメインの場合に使える方法ですので家族連れの場合はほとんど当てはまらないでしょう。
ゆうパックで段ボールを送る場合、大きさと距離によって1個の値段が明確になっていますので、個数×値段で簡単に費用を計算する事ができます。
また、複数割引や持ち込み割引など多くの割引制度がありますので、こうしたものを上手に利用するとかなりお得に引越しをする事ができるんですよ。
また、大き目の家具がある場合は家財宅配便などを利用すれば、1個からでも運んでくれますし大きさによって費用も明確にされていますのでとてもお得で安心です。
引越し業者を使わない引越しパターン3.買い替え
3つ目のパターンは、全て買い替えてしまうという方法で、つまり荷物なしで引越すというやり方です。
これは実家からの独立や会社の寮などへの入居のために引越す場合に使える方法です。
実家からの独立なら、ほとんどの荷物は置きっぱなしでも大丈夫ですし、家具類は新規に購入する必要もあります。
また、会社の寮などの場合は家具や家電類が揃っている場合もあるので、手荷物だけで引越しができてしまいますよね。
さらに、家具付きのアパートなども今はとても多いので、そういった所を狙うというのも一つの手です。
引越し業者を使わないメリット
引越し業者を使わないで引越しをする事のメリットは、次のようになります。
1.引越し費用が抑えられる
相場があってないような物と言われる引越し費用は、時期によっては倍以上の差が出ます。
全く同じ作業なのに倍の費用を払うなら、宅配便を使ったり自力でやった方が安く済む場合が多いです。
2.日程が思い通り
業者に頼むと、「空いている日」の中で日程が調整されてしまうので、必ずしも自分の希望通りの日や時間に引越しができるとは限らないのですが、自力や宅配便などであれば自分の都合でできるので便利です。
3.自分たちのペースで作業ができる
業者だとどうしてもバタバタと慌ただしくなり、何がどこに置いてあるのかもわからなかったり、破損があっても見逃してしまうなどしますが、自力、宅配便ならそれはありません。
自分たちのペースでのんびりできますし、荷物の破損に関しても宅配便なら責任の所在もハッキリしています。
引越し業者に頼まない引越しにはこうした大きなメリットがあり、これらを望む場合に「業者なし」の引越し方法を選択しているのではないでしょうか。
引越し業者を使わないデメリット
引越し業者を使わない引越しには大きな3つのメリットがありましたが、当然、デメリットもそこには存在しています。
1.意外に高くつく場合もある
引越し費用が抑えられるとして人気の「業者なし」引越しですが、場合によっては業者を使う場合より高くついてしまう事もあります。
例えば家族での引越しを自力でやった場合、ワゴン車などでは到底荷物が運びきれないのでトラックをレンタルするようになってしまいます。
トラックのレンタルは会社や大きさにもよりますが、2t平ボディー6時間でおよそ1万円前後、箱型なら1万5千円前後が相場で、大きくなればその分料金も上がります。
また、家族の引越しともなれば荷物の量は想像以上に多いので、2tでは足りないケースが多いのも現状です。
ちなみに筆者宅は3人家族ですが毎回4tです。
荷物量が多いと、慣れなければ積み込みや荷卸しにも相当な時間がかかり、6時間では足りない事も非常に多く出て来ます。
特に積み込みは、慣れていないと本当に時間がかかるものなんです。
さらに、返却時間が営業時間を過ぎてしまうと、強制的に《翌日までレンタル》という形になってしまうのでその点にも注意しなければ余計な出費はかさむばかりです。
手伝ってくれた友人たちへのお礼も、実は意外に大きな出費となるケースが多いんですよ。
お礼としていくらか渡したからいいや、では済まず、作業中の昼食代、作業後の夕食代など、色々気を使う場面が多いものなんです。
そうこうするうちに、その部分だけでも数万円の出費…ということだって、なくはないんですよ。
2.保障がない
引越し作業中に荷物が破損したとしても、補償がないというデメリットがあります。
大切にしていた家財道具に傷がついても、せっかく手伝ってくれた友人たちに文句を言うのも気が引けますよね。
筆者は実はこの経験を何度もしているんです。
ずっと大切にしていたカウンターテーブルの天板が、大きな傷になりえぐられてしまったんですが…泣き寝入りです。
言葉では「いいよいいよー」と明るく言いましたが、上質なものだっただけに今でもそのショックからは立ち直っていません。
引越し業者に依頼していれば、このような場合は補償があるので、そこも理解したうえで引越し業者を使う・使わないを決定したほうが良さそうですね。
3.不用品の処分も全て自力
引越し業者を使う場合、不用品の処分を同時にお願いできる場合があります。
ですが、業者無しの引越しともなると、これらも全て自力で行わなくてはなりません。
リサイクルショップに買い取ってもらったり、オークションに出品、フリーマーケット…全て自分でやる必要があります。
また、粗大ゴミに出す場合はその日程もきちんと把握して、事前に連絡をするなどしなければならず、それを逃すと出せない…引越し先に持って行かなきゃ…という事になりかねません。
4.疲れる・手間がかかる
自力で引越しをした場合は、言うまでもなく疲れます。
宅配便を利用する場合も、持ち込みの割引を利用するなら持ち込む必要がありますので、その手間がかかります。
また、持ち込むための車がない場合は引き取りに来てもらうので持ち込み割引が利用できなくなります。
引越し業者を使わない引越しは結局どうなの?
引越し業者を使わない引越しは、結論から言えば《単身者にはおすすめ》だと言えます。
ですが家族連れには不向きです。
特に、小さな子どもや妊娠中の方がいる家庭では、引越し業者無しの引越しは無理だと考えたほうが良いでしょう。
仮にそういった環境の家族が引越し業者なしで引越しをした場合、必然的に手伝いの人数が増えますし時間もかかりますので、非常に高い確率で引越し業者を頼んだ方が安く上がるはずです。
また、周囲に気を使わせてしまう事が予想されますので、作業がはかどらない事も考えられます。
ですので、小さな子どもがいる・妊娠中の方がいるといった環境の場合は、引越し業者にお願いしたほうがトータルでは損がありません。
単身者の場合は荷物が少ない事が多いので、引越し業者に頼むより安く上がるケースが非常に多いです。
最低限必要な荷物だけをダンボールで送ってしまい、あとはリサイクルショップに売る…そして引越し先で買い直す、そんなやり方も増えています。
引越し業者を使わない引越し、使う引越し、いずれも筆者は経験していますが、どちらの方が良いかはその時の状況によると言えるでしょう。
例えば引越しの繁忙期なら相当高額な料金になる可能性があるので自力の方が安く済む場合が多いですが、それ以外の時期ならそれほど高額でもありませんし楽ができるので引越し業者を使うのも悪くありません。