賃貸だけに限りませんが、引越し前に下見をしなかったために後で後悔…ということはよくあります。
賃貸なら引っ越せば済む事かもしれませんが、それにしたってお金のかかる話。
ですから、できるだけ失敗のない物件選びをしたいものですよね。
今回は、賃貸物件選びで失敗しないためのポイントをいくつか紹介しながら、下見の重要性についてお話していきます。
目次
賃貸物件の下見とは?その重要性は?
賃貸物件を借りようとする際の「下見」とは、インターネットや雑誌だけではわからない実際の部屋の様子を、自分の目で確認する事を言い、「内見」「内覧」とも呼ばれます。
最近は自宅にいながら賃貸住宅の情報を検索することができるインターネットでの部屋探しをする人も非常に多くなっています。
そうしたネット上の情報では、概観から部屋内部の様子、間取り図など詳細がわかるようになっていて、詳細な場所を示す地図も表示されているので希望に合った部屋が探しやすくなっているので人気です。
しかし、それだけでは伝わらない情報も中にはあります。
その代表的な例が、周囲に住んでいる人の様子などです。
集合住宅では、周囲にどんな人が住んでいるかはとても重要で、それによっては検討しなおす事が必要になる場合もあります。
また、駐車場の様子などが情報として出ていることはほとんどなく、実際に行って見たらすごく狭かった、隣に停めている人がものすごく曲がって入れていてこちらにはみ出していた…などという事も少なくありません。
こうした事は、ルールを守るよう管理会社に注意してもらえばいい事かもしれませんが、なかなか言いにくい面もありますし、「文句を言った」と見られてしまう可能性が十分にあるので最初からトラブルの予感がプンプンしていますよね。
このように、ネット上の情報や雑誌の情報だけでは絶対にわからない部分がある事も、下見が必要だといわれるゆえんなんですね。
とは言え、遠方からの引越しの場合はなかなか下見をする時間が取れず、下見なしで契約申し込みをするというケースも少なくありません。
特に繁忙期と呼ばれる3月周辺は、インターネット上の情報だけで即決して申し込むという人がとても多くなります。
もちろん、トラブル防止のために下見をしなければ申し込みは受け付けないという不動産屋もありますが、そうなると利益に問題が生じるとして多くの不動産屋は下見なしでも申し込みを受け付けてしまっているという現状があるのも事実。
部屋が決まらないのも困りますが、問題のある部屋と知らずに契約してしまうのも困りますよね。
下見をしない事のデメリット
遠方だから、準備に忙しくて時間がないから、急ぎだから…など、下見をしない理由はいくつもありますが、それでもできるだけ下見をする時間を作って、その目で確かめたほうが絶対にいい、筆者はそういい切ります。
その理由はいくつかありますが、下見をしないことのデメリットを次に挙げてみますね。
思ったより狭かった
雑誌やインターネット上に出ている部屋内部の写真は、いろいろな技法によって「広く見えるように撮影」されています。
例えば低い位置から撮影していたり、斜めの位置から奥行きが出るような角度で撮影したり…いろいろ方法はあります。
こうした技法を使って撮影された写真が掲載されていることが多いので、「とても広い部屋」と勘違いしてしまう人も少なくありません。
ですから下見をせずに契約して、さあ引越しだと荷物を搬入してみたら「なにこの狭さ!?」「ぜんぜん違う」ということが起こりかねません。
結局、予定していたとおりに家具を配置する事もできず、荷物が入ったら落ち着いて座ってもいられないほど狭かった…なんて、実は珍しくないんですよ。
コンセントなど使い勝手の問題
間取り図にも出ていない、部屋内部の写真にもあまり写っていないのが、コンセントです。
意外な盲点なんですが、コンセントの位置や数は非常に重要で、家電製品を配置したい場所にコンセントがなくて予定通りに配置できない、なんて事は意外に多いものです。
場合によっては、危険とされているタコ足配線で対応…となる可能性があるので、確認しておくことは重要なんですね。
日当たりや風通し
多くを望まなかったとしても、日当たりが非常に悪く風通しも悪い部屋はあまり好まれない傾向にあります。
こうした部屋は空気の入れ替えも思うようにできず、不健康な環境となりがちですので避けたいところです。
でも、このような事は実際に部屋を訪れて確認して見なければわからないものなので、下見をすることが大切になってきます。
治安
実際に物件周辺をよく見てみると、その地域の治安の様子を伺い知る事ができます。
ルールを守らずごみが出されていたり、あちこちにごみが散乱していたり、タバコのポイ捨て、自転車やバイクが乱雑に置かれていたり…そんな些細なところからも、その町、そして管理会社の対応をうかがい知る事ができてしまうんですよね。
雑誌やネット上の写真には、そういう部分は絶対に写っていませんので、実際に行ってみるとよくわかるんですよ。
雰囲気と周囲の人間性
理由は特にないのに雰囲気になじめないとか、なんとなくこの雰囲気がイヤとか、いろいろありませんか?
そういったものは、実際に物件周辺を訪れて確認しなければわからないものです。
また、周囲に住んでいる人がどんな人たちなのか、これも実際に訪問してみると少しですがわかるものです。
もちろん、住んでいるうちに本性を現すという人もいますので100%ではありませんが、これもやはり雰囲気でつかめるものですよね。
生活環境の確認
商業施設はどのくらいの場所にあるか、役所や銀行などは遠くないか、病院などは近くにあるか…など、自分の生活に必要と思われる施設までの交通が不便でないかを確認できるのも、実際に下見に行ったときです。
地図上で見て大体の距離がわかっていたとしても、実際には道が狭かったり渋滞する道路だったりと、想像通りにいかないものです。
また、朝の通勤を考えると、そのルートが便利かどうか、バス便などはどうか…など、確認すべきことがたくさんありますよ。
これらは物件を実際に下見に行って初めてわかることなので、こうした事で失敗したくない場合は下見に行っておくべきだといえるでしょう。
下見はどうやってするの?
引越しを考えている物件の下見の時期は、物件の状態によって異なります。
例えばまだ入居中の物件が「1ヶ月先に退去する予定」として通知してきたら、不動産屋は即座にネット上の情報に反映させます。
そのような物件の場合、まだ状態が入居中となっているので下見をする事はできず、退去してから下見となります。
一方、現時点で空き部屋となっている物件の場合は、すぐに下見が可能なので都合のつく時に見せてもらうことができます。
ですので、その部屋の情報を出している不動産屋に下見をしたい旨を伝え、下見ができる時期になったら見せてもらうよう予約しておきましょう。
また、たいていの場合、下見の時に同時に見積もりも出してくれるので、ある程度心の準備もできてきます。
具体的には、引越しの何日前に下見をすると良い…というようなものはありませんが、筆者個人的には、早めに下見をして申し込みをしておいたほうが安心だと思っています。
というのは、物件の状態のわりに家賃が格安だったりするいわゆる「掘り出し物」の物件がたまに出てきますが、こうした部屋はあっという間に申し込みが入って決まってしまう事がほとんどなので、正直、考えている暇なんてないんですよね。
筆者は下見をした時に同時に申し込みができるように書類やいろいろなものをそろえて出向くようにしているのですが、そういった人は少なくないと考えて良いでしょう。
つまり、良い物件は早いもの勝ちなんですよ。
下見で絶対チェックしておきたいポイント
下見の際に絶対チェックしておくべきポイントをチェックリストにして紹介します。
コンセントの位置とテレビ、電話の場所
コンセントの位置と数、テレビの配線、電話機のジャックの位置は確認しておくべきです。
これによって、家具や家電製品の配置場所が予定していた場所とは変更になる可能性があるので、欠かすことのできないチェックポイントとなります。
部屋の広さ・サイズ
家具の配置を考える上で欠かせないチェックポイントです。
あれとこれを並べて置いて…と予定していたのにわずかに入らない、という事もよくあります。
また、窓のサイズは測っておかないとカーテンが合わない事があります。
日当たり・風通し
ベランダやテラス部分の日当たりの様子、部屋全体の窓を開けて風の通りをチェックします。
これによっては、夏場も窓を開けておけば涼しく過ごせる場合があるので、確認しておくと良いでしょう。
環境
集合住宅は特に、周辺の環境をチェックします。
集合住宅は建物内にいろいろなルールが設けられているものなので、そうしたルールが守られているかどうかをチェックしておきます。
例えば共用部分にあたる階段に植木鉢を並べてしまう人がいて階段が狭くなっていたり、通路部分に自転車やバイクを置く人がいて通路が通れなかったり、一番端だから誰も通らないと身勝手な判断をして物置のようにしている人がいるなど…です。
こうしたルール違反を見逃しているような住宅はトラブルが耐えないと判断できます。
管理人の有無
集合住宅の場合、管理人がいるかいないかで環境が異なります。
女性の場合、管理人がいるというだけでも安心感につながりますので、確認しておくと良いでしょう。
収納の量
荷物の量に対して、収納スペースが不足しないか確認します。
最近の部屋は収納スペースが極端に少なく作られています。
その他の部分は気に入ったとしても、収納だけが気に入らない…という人は意外に多いものなんですよね。
また、間取り図では収納がきちんとあるように書かれていても、実際に見たら変形した収納スペースで、実際に収納できる量が少ないというようなものも中にはあります。
特に、マンションなど集合住宅の梁の関係や、一戸建ての階段の位置の関係でそのような変形した収納スペースが作られている場合が多いです。
長く生活していくためには収納スペースの確保は重要で、無視できない存在です。
その他
風呂場の換気扇の有無、インターホンの種類(モニターつきか音声のみか等)、ガスの種類、物干し場の状態(例えば最近多い、概観を気にして物干し位置を低いところに設置している集合住宅もあります)、ごみ置き場や駐車場・駐輪場の様子なども確認しておきたいところです。