家賃なんて無駄な出費だ…と言うもいれば、無駄ではないと言う人もいます。
どちらが正しいのかはそれぞれの考え方次第ですが、双方の意見は共に納得できる部分が多々あります。
今回は、家賃は無駄派と無駄でない派、それぞれの意見について解説していきます。
目次
家賃は無駄!と思う理由
いくら払っても自分のものにならない
持ち家を検討する人のほとんどが必ず考えるのが、これです。
例えば家賃を8万円払うなら、その分をローンにできるじゃないか。
いくら家賃を払い続けても結局は自分の物にならないんだから、そんなのは掛け捨てでしかないからもったいないし無駄だ。
そういう事のようです。
確かに、同じ8万円を掛け捨てとして払い続ける家賃より、自分の物になる家のために払い続けるローンのほうが、「最終的には家が手に入る」という意味で無駄がないと感じるのかもしれません。
寝るだけの場所なのに
仕事に勉強に忙しく、ほとんど家にいない。
家は寝るためだけの場所だし食事すらほとんど家ではしない。
そういう人たちにとっては、家賃を払うことほど無駄な行為はないと感じるようです。
ただ、この場合はマイホームを購入した場合でも同じ結果となる可能性がありそうです。
購入すれば快適な暮らしなのに
気に入った家を買えば、狭くたって気分がいいし快適に暮らせるのに、賃貸だと家賃が高くてそれができない…高い家賃を払わないと快適な暮らしができないんだったら、そんなの無駄!
そんな現実も実際ありますよね。
家賃は無駄ではない!と思う理由
金利の支払いがない
マイホームを購入すると、借り入れ元金のみならず、それに対する金利の支払いも発生します。
仮に3,000万円を35年ローンにして借り入れた場合、たとえ1%の金利だったとしても500万円以上の利息がつく計算になってしまうわけです。
毎月の家賃で払う分があるならローンに回せるという考え方もあながち間違ってはいませんが、それは利息の分を忘れている場合。
利息分をしっかりと頭に入れて計算してみたら、結局は購入がお得とは言えない場合も多いようです。
責任がない
購入した家は、老朽化などの際にも自ら補修や修繕、リフォーム等しなくてはなりません。
ですが賃貸なら、その責任はありません。
自分が住んでいて破損してしまった箇所等については修理等する必要がありますが、老朽化等について責任を負う必要はないので、家賃を払って住んでいる間だけの責任で住むという点は大きな魅力です。
気分で住み替え可能、飽きがない
違う街に住みたい・こんな部屋に住みたい…等の気分に合わせて住み替えも自由にできる賃貸は、日ごろのストレス解消にも一役買っていると言えそうです。
購入した家ではそれができず、飽きが来たらリフォームすると言う手もありますが、かなりのお金がかかる作業です。
賃貸住宅に住んでいる場合、気分に合わせて住み替えられる自由を、家賃を支払う事で買っている…と言えそうですね。
人生の大半を過ごす場所
人の一生は、働いている時期だけでなく、幼少時代・学生時代・老年期などもありますよね。
こうした時期もトータルに考えた時、家は人生の大半を過ごす場所となるので、そこにお金をかける事は決して無駄にはならないという意見があります。
たくさんの思い出を作る事もある家ですから、十分に納得できる家賃を支払うことに無駄などない。
そういう事のようです。
結局、家賃は無駄なのか?
家賃が無駄だとする意見、無駄ではないとする意見、それぞれ「確かに」と思える部分も多くあります。
いくら家賃を払っても最終的に自分の物にはならないという意見は、誰もが一度は考えた事があるものでしょう。
ことに家賃が10万円以上になる場合などは、本当にもったいないと思うものです。
ただ、安易に購入する事に同調できないのは、金利のことを忘れているから。
金利の事を考えたら購入は決して得ではないという意見にも納得できます。
また、家賃を支払うという事は、自分の居場所を確保する事・安住の地を確保する事・雨風をしのいで暮らす場所を手に入れる事なので、自分の所有物にはならないとしても無駄だと言い切る事は決して正しい事とは言えないように思いますよね。
逆に、維持管理するためのお金をかけずに家賃のみを支払えば住む事ができるのですから、無駄どころかお得な面も少なくありません。
家賃が「無駄」なのかどうかは、個々のとらえ方次第としか言えない部分が多く残されていますが、筆者は「現金で購入できるものなら購入したほうが得」とは思っています。
しかしほとんどの場合がローンを組まなくてはならず、その利息に泣かされ、さらには固定資産税の負担です。
毎月一定の家賃を支払う事でそれらの負担は免除されている賃貸の身は、気楽と言えば気楽なのかもしれません。
もっとも、将来的に高齢者となって収入もなくなり、限られた年金での生活と考えた時、家賃を支払っていく能力がないだろう事はとても不安だと誰もが思うのではないでしょうか。