海外へ引っ越すことになったら、むこうでの生活への不安はもちろんですが、その前に引越しについての不安や疑問がたくさん出てきますよね。
荷物はどうやって運ぶの?
持ち込めないものとかあるんじゃないの?
費用はどれくらいかかるの?
…など、海外への引越しに伴ういろいろな疑問について、解説していきますね。
目次
海外への引越し方法
海外への引越しの仕方には、大きく分けて次のような2つの方法があります。
船便
大型貨物船で荷物を運ぶ方法で、海外への引越しのほとんどがこの方法で行われます。
大型のコンテナに荷物が詰め込まれた状態で船に載せられていきますが、多くの場合ほかの人の荷物と一緒に詰め込まれるので費用は安く済ませることができる反面、その際の業者の扱い方によっては破損や間違いが発生しやすいというデメリットもあります。
また、こうした船便は日数がかかるので、今すぐ必要…ではない荷物を船便で運ぶのが一般的です。
航空便
限られた量の荷物しか運べないため、家財道具はすべて現地で買い換える人に向いています。
また、船便でほとんどの荷物を運んでおいてすぐ必要なものだけを飛行機に持ち込んで運ぶ《船便との併用》という人がほとんどです。
大きく分けると上記のような2種類の方法がありますが、その利用の仕方はさまざまです。
家財道具はすべて買い換える人、船便で送っておいて自分は飛行機に乗っていくという人、知人や家族の元へ行くから特に荷物はないという人…いろいろでしょう。
海外引越しの荷造りの注意点
海外への引越しの際の荷造りは、特に注意して慎重に行う必要があります。
必要度にあわせて分けた荷造り
家財道具をできるだけ運んで海外でも使いたい場合、船便に積み込む荷物と、手荷物として航空便に積み込む荷物はしっかり分けて荷造りする必要があります。
船便は基本的に到着までに日数がかかりますので、当面は必要ないもの、しばらくの間はなくても我慢できるものを選びます。
逆に手荷物として持ち込む荷物は、今すぐ必要になるもの、なければ困るものを選びます。
荷造りはしっかりと
海外への引越しの荷物の多くは船便で運ばれているという現状があります。
船便では、大型コンテナに荷物を積み替えて船に積み込むのですが、このときの扱いがお世辞にも丁寧とは言えない場合が多いので、中身が破損することも考えられます。
そのため、荷物の梱包や荷造りは国内での引越しと比べてはるかに厳重に行う必要があるんですよ。
特に精密機器類や家電類など衝撃に弱いものは注意が必要です。
家電の規格に注意
国内の多くの家電類は、電圧などの規格の違いにより海外では使えない場合があります。
ですので、今まで使い慣れているからと海外へ持ち込んで使おうとしても無理…となってしまう場合があります。
また、海外へ持ち込んだとしても壊れた際には修理にかなり多くの手間がかかることが予測されますし、海外での利用で生じた故障に対する保証があるかどうかもわかりませんよね。
そんなことを考えたら、家電類はできるだけ現地で買い換える・調達するといった方法を取るのが良いと言えそうですよ。
荷物の量に注意
ほとんどの荷物は船便、すぐ必要な荷物は手荷物や無料預け荷物として飛行機で運ぶ…という方法が一般的ですが、飛行機に乗せる手荷物の量には注意が必要です。
手荷物として機内に持ち込める荷物、無料で預けることのできる荷物には重量やサイズに制限があります。
これらを超えてしまった場合には別料金がかかるので、荷物が多すぎると費用がかさんでしまうことになりかねません。
ですので、できる限り船便の荷物に入れ、飛行機で運ぶ荷物は最低限の量にしておきましょう。
また、同じく船便でも荷物の量には注意が必要です。
大型コンテナで他者の荷物と同時に運ばれることがほとんどですが、これも量によって費用が異なってきます。
現地で使えないであろう家電製品類は極力持ち込まず、現地で調達するようにしたほうがトータルでは安上がりになります。
ですので、大型の荷物は家具類が中心と考えたほうが無難でしょう。
持ち込み禁止の品物
行き先によっては、持ち込み禁止とされているものがあります。
たとえばオーストラリアなどは食品関連の持ち込み禁止が特に目立っていますし、アメリカなども豚肉およびそれに関連する食品などは特に厳しく取り締まっています。
しかも、たとえばレトルトカレーに入っている肉。
信じられないかもしれませんがこれでも引っかかり、没収されるということも実際あるんですよ。
このように、行き先の国によっては持ち込みに関する規制がありますので、事前に調査して、持ち込もうとしているものが禁止物資となっていないか確認しておきましょう。
特別な荷物の扱いについて
家具など一般的な家財道具は船便や航空便といった方法で海外へ運びますが、ピアノや車、ペットなどのような特別な荷物はどうやって運んだら良いのでしょうか。
ヤマト運輸やサカイ引越センター、アート引越しセンターのような大手の業者になると、海外への引っ越しはもちろん、海外へのピアノや車の輸送も取り扱っている場合が多いです。
また、大手ではないものの、アクティブ感動引越しセンターなども、海外引越しおよびペットやピアノ、車の輸送を行っています。
つまり、地元密着の中小引越し業者は海外への引越しに対応していない場合もありますが、大手ならほとんどの場合対応してくれているのでそういったところへ依頼すると良いでしょう。
ただ、ペットに関しては、どの業者に依頼した場合も病気の蔓延を防ぐために「検疫」を受ける必要があり、犬や猫などは大きな問題となりませんがサルの場合は持ち込めない事がほとんどです。
このように、ペットは種類によっては持ち込み禁止となりますので、農林水産省のホームページなどで確認しておきましょう。
見積もりの取り方は、まずは「海外への引越しは、やっていますか?」という内容の問い合わせをし、行き先を告げ、やっているようだったら訪問見積もりをお願いするという流れで良いでしょう。
また、その際「持っていく荷物」と「持っていかない荷物」をはっきりと分けておくことをおすすめします。
というのは、実際に運ぶ荷物とそうでない荷物を一緒に見積もって高い見積もりを出してくるケースがあるからです。
引越し当日になって実際の荷物は見積もり時より明らかに減っていたとしても、だからといって料金を減額して請求…とはならず、結局は余分に支払う結果となってしまうのを防ぐためです。
逆に、実際の荷物の量に対して明らかに少ない量で見積もり、さも格安なんだといった印象を持たせておいて契約させ、実際の量が多かったから追加料金発生…といったケースも見受けられます。
こうした詐欺まがいのことを防ぐためにも、できるだけ多くの引越し業者に見積もりを依頼し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
海外への引越しっていくらかかる?
ぶっちゃけ、海外への引越しにかかる費用がどれくらいなのか、ものすごく気になります。
国内での引越しとは違って大掛かりなので、それ以上の費用がかかることは予測できますが、具体的にどれくらいなのか…気になりますよね。
結論から言うと、行き先とその国の為替レートなどにもよりますし、荷物の量にもよって大きく異なります。
ただ、海外への引越しをしたことのある人の意見を聞くと、家族での引越しでおよそ50万円前後、単身者の引越しで10万円前後は見ておくべきだという話です。
ヤマト運輸のホームページでも料金検索ができますが、単身者の場合の海外引越しを想定して見積もってみたところ、行き先はアメリカ・ニューヨーク州という設定で750,000円から140,000円前後であると出てきました。
また、所要日数は50日から60日前後でしたのでかなり余裕を持って準備をしておく必要がありますね。
必要な手続き
海外への引越しでもう一つ、気がかりなのが役所関係の手続きなどでしょう。
海外転出届
パスポート持参で役所の窓口へ行き、提出します。
提出すると住民票が抹消されてしまいますので、これを嫌がり届を出さずにいる人もいます。
短期間の海外赴任くらいなら、それでも良いかもしれません。
住民票
国内の規定では、海外へ引っ越した場合住民票を絶対異動しなければならないといったものはありません。
ですのでたとえば数ヶ月などの短期間だけ海外で暮らす場合は、そのままにしておく人がほとんどだといわれています。
ただ、1年以上にわたる場合は住民票を海外へ異動する必要が出てくるようです。
これは、生活の本拠地が国内にはないと判断されるためで、節税のためにもなっています。
国内に住民票を残しておくということは、日本における課税対象になっているということですよね。
同時に、現地でも課税対象となるので、2つの国に対して税金を払っていく必要が出てきます。
特に、済んでいないのに課税される国内の税金はとても高くつく可能性があるようなので、手続きは面倒ですが長期になることが予測できているなら住民票は異動するべきです。
異動の方法は、海外転出届を提出するだけです。
在留届
海外での滞在期間が3ヶ月以上になる場合は、日本大使館へ在留届を出す必要があります。
帰国時には帰国届を出します。
年金
住民票を異動した場合、年金の加入期間が途切れます。
将来的な不安があって、そうなるのは困る…という場合、住民票を動かさずに済んでいない国内の税金を払っていくしか方法はなさそうです。
転勤などによって海外へ引っ越す場合は、社会保険などのこうした面倒な手続きに関しては会社がやってくれるようですが、その際にアドバイスが受けられる事が多いようです。
運転免許証
国外運転免許証を申請します。
ただし、ジュネーブ協定に加盟している国への滞在の場合のみ有効です。
また、発給日から1年間のみ有効で、原則更新はありません。