海の近くに住みたい、海が見える家で暮らしたい…そんな憧れを抱く人も少なくありません。
でも海の近くでの生活には、よく言われるような不満のほか、あまり知られていない不満材料も結構多いもの。
今回は、海の近くに住んでいる筆者の実体験を元に、いろいろお話してみたいと思います。
海の近くは憧れの的
若い人を中心に、海の近くに住みたいという憧れを抱く人は多いものです。
筆者も例に漏れず海の近くで暮らしたいと願い続けてきましたが、その願いが叶い、現在は海から200メートルほどの所に部屋を借り、暮らしています。
憧れ続けた海の近く、夢に見続けた海のそば。
ですが、暮らし始めてみるといろいろな不満点が出てくるのも現実です。
湿度が高く、暑い
海がそばにあるせいで、気持ち、湿度が高めな事が多いです。
特に夏場は、海から離れた地域と比べて《暑い》と感じます。
こうした現象の代表的な例が四国です。
四方を海に囲まれた四国は、その湿度の高さも暑さもダントツです。
一時期、四国への移住を考えた事もある筆者でしたが、四国に暮らす友人に湿度の高さと暑さの話を聞かされ、自分でも四国へ行って肌で感じ取って、諦めました。
筆者は神奈川県内ですが、それでもやはり海のそばは暑いです。
暑さが駄目な筆者は、これだけは失敗したと感じています。
塩害
海の近く=塩害がある、という話は良く聞きますよね。
実際に車や門などの鉄の部分の錆は著しく、明らかに塩害だとわかる部分も多くあります。
しかし筆者は、個人的には海の近くよりも豪雪地帯の除雪用の塩化カルシウムのほうがはるかにひどい塩害だと感じています。
実際に、海の近くに住んでいる事で受ける塩害はそれほど急激でもなく、短い期間では実感があるものでもないですが、豪雪地帯の塩害は1年半で明らかに現れましたし…。
ちなみに豪雪地帯で購入した筆者の車は、1回目の車検を通すことに無理が出てくるほど下回りがさび付いてしまっていました。
洗濯物の乾きに不満
あまりにも海に近い場合に言える事ですが、洗濯物はすっきりと乾きません。
どちらかというとベトッとした感覚があるような、海風に当たった不快な乾き方です。
洗濯物だけでなく、体全体が損な感覚に襲われる事も少なくありませんし、車も汚れます。
さらに女性は髪の毛が潮で不快に感じるかもしれません。
最初にも紹介したように、海が近くにあるために湿度が高く、しかも潮風が吹いているためにこうした事が起こっていると考えられます。
実際、川の水も海の水と混ざっているような部分もあるためか、常に潮の香りがしている事も少なくありません。
とは言え、ある程度海から離れていればそれほど強く感じる事はありません。
夏場の渋滞・騒音
海の近くに住んでいる者にとっては生活道路でも、夏場になるとレジャー客が押し寄せ、国道などの生活道路が渋滞することがとても多くなります。
それこそ、スーパーへ買い物に行きたいだけなのに渋滞して裏道までまったく動かない、駐車場に入りたい列とゴチャゴチャになって並んでいるから詰まっている…なんてことはザラです。
夏場の暑さだけでもイライラするのに、観光客・レジャー客で大渋滞ともなると、イライラが増してしまうんですよ。
さらに、夏場は特に無意味に騒音が多くなります。
車やバイクで爆音を撒き散らして走る集団、深夜まで花火などで大騒ぎをする集団、しまいにはゴミを散らかしたまま知らん顔での帰宅です。
海が好きで海の近くに住みたい、そこで暮らしたいと願って海のそばに引っ越してきた者としては、許せない行為がとても多く、目に付くものなんです。
災害への不安
これは不満ではなく不安になりますが、海の近くに住む事で津波の危険にさらされます。
筆者の自宅は海抜10メートルほどの所ですが、ハッキリ言って危険だと感じます。
もし東日本大震災のような大きな地震が来たら、富士山を抱える静岡県の隣だという事もありダブルの災害で確実に助からない自信があるほどです。
でも、それでも海の近くで暮らしたいという思いが勝って今の部屋を選んだのですが。
対策としては、非常用品を常にきちんと準備しておく事、ですね。
現実はドラマのようではない
テレビドラマやアニメの世界では、海の近くに住んでいる生活が、とても綺麗で素敵なもののように描かれています。
でも現実は、塩分の多い風が吹き、体はベトッとした感覚に襲われ、洗濯物もすっきり乾かず…そして車は錆びやすくなる。
そんないろいろな不満も出てくる海の近くの生活ですが、でも決していやな事ばかりでもありません。
毎日海沿いの道を車で走りながら「今日も波は穏やか」とか「今日は少し波がある」なんて、海を眺めたりしているととても心が洗われるものなんですよね。
時々車を降りてみると潮の香りがしてきて、ああ海なんだな~…なんて改めて思ったりする事もあります。
海だけでなく、どんなところに住んでも「思ったのと違った」と思う事や「思っていたよりいい」と思う事が必ずあります。
筆者も海の近くで暮らしてみての不満は多々ありますが、海のそばで暮らす以上、現実を受け入れる事も大事なのかなと思ったりもしています。